藤野駅〜イタドリ沢の頭〜吉野矢ノ音〜孫山〜相模湖駅というルートで駅から登山に行ってきました。
藤野15名山の矢ノ音登頂が目的でしたが、登山道全体を通して歩きやすくて日帰りハイキングとしてはちょうど良いコースでした。高尾山にもほど近い山域ながら、人も少なくて静かな山歩きを楽しめます。
麓の与瀬神社が独特の雰囲気あって展望台からの相模湖の眺めも良かったので、ぜひ合わせて立ち寄ってみてください。
藤野15名山。
高尾山界隈の藤野町(現相模原市)に散らばる15の名山で、有名な陣馬山や生藤山もその1つ。
現在、12座まで登っていて近々コンプリートを狙っているカテゴリでございます。
今回は残り3つの内の1つ、矢ノ音(やのね)を目指して行ってきました。
JR中央本線に乗って藤野駅で下車。
今回は藤野駅~矢ノ音~相模湖駅というルートで行ってきます。
ここもまた駅から駅へ、電車のみのアクセスで登れる素敵な山ですよ。
藤野のシンボルと言えば、やっぱりこちらの「緑のラブレター」。
芸術の町・藤野の代表的なオブジェで、藤野駅や中央道から見えるので目にしたことがある人も多いはず。
今回はラブレター方面ではなく北側の高尾寄りの山になるので、駅から左手に進んで踏切を渡って行きます。
この日の天気予報は曇りのち雨。こんな天気でも、朝の電車は登山客で混んでいて藤野駅で降りた人も結構いました。
踏切を越えたらこちらのトンネルを進んで行きます。
意外と交通量が多いので、通過の際は車にお気を付けください。
トンネルを出て少し進むと、右手に歩行者用の階段が見えてくるのでそちらを下って行きます。
(写真の黄色い看板があるところ)
静かな集落の中をしばし進む。
今日の登山に関しては、天気は完全に諦めていて下山するまで雨が降らなければいいな、くらいの感覚。
そうまでして登りに来たのは、ここ最近仕事で色々ありすぎてもうストレスが……、と語り出すと止まらなくなりそうなので自重しますが、山を歩けてリフレッシュできればそれで万々歳。
道路わきのこちらが登山口。
藤野駅からここまで道中に道案内の標識はなかったですが、徒歩15分くらいなのでそこまで距離はないです。
前後見渡してもハイカーらしき人は誰もいませんでした。
誰もいない登山道を黙々と登って行きます。
急登と呼べるところはほとんどなくて、単調な登り坂がしばらく続く感じ。
矢ノ音の魅力を語るのは少し難しい。山頂から展望があるわけでもなく、花や紅葉の名所というわけでもない。
だから晴れていなくてもあまり気にならないこういう日を選んだわけですが、序盤は探してみれば花もポツポツ咲いていました。
終わってみれば総じて「花もねぇ、眺めもねぇ、人もそれほど歩いてねぇ」でしたが。
展望については最初と最後、登山口付近で開ける感じです。
こちらの入り口あたりからは山の中に走る中央高速道路が見えただけですが、下山口の方では相模湖を一望できる展望台が用意されているので、それを最後の楽しみにして歩きましょう。
道なりに登って行くと、本日最初のピーク「大沢の頭」に到着。標高は477m。
途中、すれ違った登山者は2人だけで静かな道でした。
大沢の頭から傾斜はさらに緩やかになって、非常に歩きやすい道が続きます。
ここら辺でトレランをしていた方とすれ違いましたが、それ以降は矢ノ音山頂まで誰とも会いませんでした。
一応、山域としては高尾山界隈で、この道も裏高尾縦走路の明王峠~陣馬山へと続いているのですが、ややマイナールートなんですかね。
少し先へ行くと次なるピーク、イタドリ沢の頭に到着。展望はないですが、立派な標識が用意されていました。
イタドリって漢字で書くと虎枝なんですね。絶対に読めないです。山の漢字はやっぱり難しいわ……
そこから少し先へ進むと分岐に到着。
矢ノ音へ登る場合はここは左です。右に行く標識には奈良本と書かれていましたが、そちらではないのでご注意ください。
間違って右に進んで危うく下山しそうになったのが私です。
その後も静かで緩やかなハイキングコースが続きます。
幸い、この日は気温も低めで暑くもなく寒くもなく、低山ハイクにはベストな環境でした。新緑が美しく、虫の類も全然いなくてストレスフリーな登山を楽しめてます。
次なる分岐はこちら。矢ノ音山頂に行く場合は右です。
左は巻き道で明王峠~陣馬山へと続いています。
分岐から少し登ると開けた広場に到着。ここが吉野矢ノ音の山頂。
標識にも書かれていますが、ここは藤野15名山の1つに選定されているピークです。
これで残すところあと2つとなりました。
矢ノ音からは大平小屋と書かれた方へ下って行きます。
入口辺りがやや藪っぽくなっていますが、少し先へ行けば道も明瞭なので特に問題ありません。
ただ、山頂直下のこの下りがやや急斜面なのでご注意ください。
今日のルートでは一番斜度がキツイ箇所でした。
下ったところが大平小屋。
小屋となっていますが、ベンチが置かれただけの無人の休憩所でトイレなども特にありません。
そこから先、しばらくはフラットな縦走路。
こういう道はいかにも高尾界隈らしいです。
途中、大明神山というピークがあったので寄り道。
正規ルートから少し外れたところにある山でしたが、山頂の標識は小さいながらもしっかりと用意されていました。
緩やかなハイキングコースを進みつつ、最後に一登りしたところにあったのが孫山。
「まごやま」という読み方で良いのかな。
ここも残念ながら展望はなし。結果、今日登ってきたピークに眺めの良かったところは……ありませんでした!
足元の三角点にも山頂標識がありました。
何やらイラストも描かれていましたが、これはいったい何だろうか……。
孫山からは与瀬神社方面へ下山していきます。
最後まで静かな登山道で、この日すれ違った人は10人にも満たなかったです。ネームバリューのある山と言うわけでもないので、高尾界隈でも歩く人が少ないコースなのかもしれません。
下って行く途中、一ヶ所展望台のように開けている箇所があります。
5月のこの時期は葉が生い茂って見れる範囲が限られていますが、眼下に広がる相模湖を見渡せました。
さらに下って行くと与瀬神社に到着。
山の中にある無人の神社でしたが、思っていたよりも境内が広くて立派な神社です。
本殿も大きくて厳かな雰囲気。
正式には與瀬神社と書くそうで、これまた難しい漢字が出てきました。与の旧字らしいです。
勉強になります。
本殿へ続く参道も立派。
参拝客など誰もいなかったですが、独特の雰囲気があってこういうところは結構好きです。スピリチュアルというか心が落ち着く感じ。
実際のところ、すぐ近くに中央道が走っているので車の音はバンバン聞こえてますが、それでもここは立ち寄ってみてほしいです。
与瀬神社の鳥居。
今回とは逆ルートで歩く場合は、こちらの鳥居が登山道への入り口となります。
鳥居を出てすぐのところに展望台という標識を見つけたので、そちらに行ってみることにしました。
慈眼寺供養塔、相模湖一望の絶景と書かれているじゃないかっ!
こちらが展望台からの眺め。
ほとんど街中に近いですが、少し高台になっているので確かに相模湖を一望できました。
正面に見えている山々は、2ヶ月前に登った日連アルプス。
歩いた軌跡がティラノサウルスになるという面白いコースで、手前の半島部分が青田山。
ティラノサウルスの頭の部分です。
日連アルプスにも藤野15名山がいくつか含まれているので、良ければ登ってみてください。
展望台にあった摩訶不思議な球体。そして土台部分には虎の置物。
天災地変の鎮まりを祈念する供養塔だそうです。
中央道をまたぐレッドカーペットが敷かれた陸橋を渡って反対側へ。歩行者専用の陸橋にしてはなかなか見ない横幅。
階段を下って左に進んで行けば5分ほどで相模湖駅に着きます。
こうして相模湖駅まで歩いて本日の登山が終了。
時刻は11時前。午前中で完結するお手軽半日ハイキングでした。雨が降る前に終えられて良かったです。
高尾山界隈にありながらも、静かな登山が楽しめる矢ノ音。
展望はそこまでないですが、駅から直接登れるアクセスの良さとフラットで歩きやすい縦走路が心地良かったです。これでまた1週間は頑張れそう。
藤野15名山もこれで残り2つとなりました。来年あたりには完登したい!
【日程】
2025年5月24日
【コースタイム】
7:40 藤野駅
8:30 大沢の頭
8:40 イタドリ沢の頭
9:10 吉野矢ノ音
9:50 孫山
10:30 与瀬神社
10:50 相模湖駅